パッケージデザインの印象が商品に与える影響は非常に大きい物です。
長年売れ続けているベストセラーの飲料などは、よっぽどの事がない限りパッケージをリニューアルしません。
リニューアルして売れなくなった時のデメリットが大きすぎるからです。
また、ブランド価値というものはその商品の味と名前、そしてパッケージに付随します。
それの一つを自ら取り除くのは悪手としか言えません。
しかしたまに、飲料では本当にたまに味のリニューアルをする事があり、そういった場合ではパッケージのリニューアルも行われるでしょう。
味が変わったのですからそこをアピールしてデザインを変えるのも一つの手です。
長く愛されるパッケージというものは古くなっても愛され続ける
企業の稼ぎ頭であるベストセラー商品の味を変えるのですからよっぽど自身があり、美味しくなっている事も多いのですが、たまに失敗して味が悪くなり、デザインごと駄目出しされてしまう商品もあります。
長く愛されるパッケージというものは古くなっても愛され続けます。
一つの食品で何十年もベストセラーになっている商品があった場合、それこそスーパーの陳列棚はその商品を中心に陳列されます。
そして競合メーカーはその商品の色合い、デザインを考えてそれがそこにある事を前提としたデザインにする必要があります。
同じ食品という事なら、あまり色物の形は変わりません。
なので印刷する絵やデザイン、そして色使いが重要になります。
色合いがそのベストセラーと余りにも似ていると、間違って買う人もいるかもしれませんが、企業としてそれはやってはいけない手と言えるでしょう。
あくまでも自社の商品の強みを生かし、そして陳列棚で目立つ、手に取ってもらうデザインにするべきです。
赤やオレンジなど暖色系のパッケージが多い中、一つだけ濃緑色にしてみたら目立つかもしれません。
もちろん別物だと思われるリスクもありませんが、どうしてこんなデザインなんだろう、と逆に見てもらえるかもしれません。
デザインに正解はないのです。
各社長年の製造、流通と陳列の歴史を経て今の形になった
デザインは絵や字を主に行うものですが、食品のデザインにはもう一つ手を入れられる分野があり、それが形です。
もちろんひたすら奇抜な形にすれば良いというものではありません。
その食品に適した形というものがあり、各社長年の製造、流通と陳列の歴史を経て今の形になったのです。
単に陳列棚で目立つから奇抜な形にする、というのでは運んだり並べたりする人から非難されてしまいます。
そこで、そういったところに影響の出ないレベルでの変形が重要になって来ます。
分かりやすいところでは2リットルペットボトルの凹みなどがあるでしょう。
それまでまっすぐ寸胴だったペットボトルにくびれを作る事で、持ちやすく、見た目もおしゃれになりました。
持ち手を付けているペットボトルもあり、これだけで力の弱い人にとっては非常にありがたいリニューアルです。
しかも大きくは形が変わっていないため、新しい段ボールが必要になるという事もなく、梱包や流通、陳列もそれまでと変わらず行えます。
そして消費者からも好評を博しているという事で、大成功したリニューアルと言えるでしょう。
各社追随して似た様なアレンジを加えた事からもそれが分かります。
似た様なものでは納豆も例年、試行錯誤した商品が登場しています。
あの形は変更しないまま、中の形を色々変えているのです。
納豆の容器の事例
有名どころではタレを蓋にくっつけてしまい、蓋を真っ二つに折るとタレを掛けられる仕組みは話題になりました。
たしかに納豆のタレとカラシをいちいち取り出して封を切ってかけるという作業は面倒なものです。
それを簡略化したデザインは話題になりましたが、カラシが付いていないというデメリットもありました。
もう一つ、タレを固形にして初めからむき出しで横に置いておく、という商品も出ました。
これはどうせ納豆は混ぜるものなので、液体でも固体でも構わないという考え方から生まれたもので、こちらもいちいち封を切らなくていいという視点で作られた商品です。
そこそこ話題になりましたが、納豆の量が少なくなっているのと、こちらもやはりカラシが付いていないという点で眉をひそめる消費者が多く、メジャーになりきれていない商品と言えます。
しかしこういった試行錯誤こそが重要で、新しい挑戦は続けて行って欲しいものと言えるでしょう。
なにしろ食品には数十年変わっていないものが沢山あるのです。
見飽きたと言うと語弊がありますが、定期的に新しい物が登場してもいい分野だと言えるでしょう。
目新しいものがスーパーにあれば目を惹きますし、それを見にちょっと行ってみる、という人も増えます。
まとめ
一つの商品がスーパー自体の活気を出してくれる事にもなるので、ヒット商品はその製造メーカーだけでなく、スーパーからも消費者からも望まれている物なのです。
特定の商品だけでも公的なところが製造して、売れないリスクを気にせず奇抜なデザインを定期的に提供する、そういったものがあれば日々が面白くなるのですが、なかなか難しいですね。
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最終更新日 2025年6月27日 by tinasdelamp
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