過払い金とは、法律で定められた上限を超えた金利設定でお金を借入れて、さらにそれを返済したときに発生する返済し過ぎた分です。
本来借金の債務者には法律上はこの過払い金を返済してもらう権利があるのですが、相手が悪徳業者であったり計画倒産していると、その権利行使がむずかしくなる場合があります。
素人が手続きを進めるのは時間も労力も掛かりすぎ、また気付いたら時効が成立してもう請求できないなんてことにもなりかねません。
そのときは弁護士に依頼するのがベストです。
とは言っても、自分自身もある程度把握しておいた方が良いです。
具体的に過払い金請求が難しくなるケースや、そのときの対処の流れを知っておくと不安が軽減でき、また迅速な対処につながるかもしれません。
過払い金請求が難しくなるケースには主に3つのパターンがあります。
1つめは時効が成立した場合です。
最後に取引をした日から10年以内に請求をしないと、請求権が消滅します。
これは通常は完済日が最後に取引をした日になります。
時効が成立した過払い金を請求することは非常に難しいです。
また通常は完済日が最後に取引をした日になると書きましたが、借金完済後に再び借入と返済を行っているというケースも多々あります。
この場合は後に借りた借金を返済した日が最後に取引した日となります。
このシステムを利用した時効の回避策などもあります。
2つめはお金を借りていた会社が倒産した場合です。
この場合も請求するのは非常に難しいです。
そもそも会社がないのでどこに請求すれば良いのかという話になってきます。
また近年は法改正や過払い金請求が一般化してきた影響もあり、倒産する消費者金融などが増えています。
まず総量規制という法律が2010年に制定されたことにより、借主の年収の1/3以上の貸出ができなくなりました。
これにより貸出できる総量が減ったため、単純に会社の収入が減りました。
次に過払い金請求に関してです。
これもテレビcmなどの影響により、正当な手続きに則って請求を行う人が増えています。
そうすると業者はお金を返さなければならなくなるので、資金繰りができなくなり倒産するという状況です。
そもそも過払い金を返済すると倒産するという状態の経営は問題なのですが、請求が殺到することで倒産して今っているのは事実です。
3つめは違法業者からお金を借りてしまっていた場合です。
いわゆる闇金ですね。
この場合は過払い金請求という手続きはまったく効果がありません。
そもそもこういった業者は法律を守る気がまったくないため、権利を振りかざしたところでなんの影響も受けません。
住所や電話番号も跡を付けられないよう嘘のものを記載していますし、すべてがでたらめです。
実体のない相手に対して請求する前提はありません。
このような業者に対しては弁護士もお手上げになってしまうことが多いので、違法業者からはそもそも借りないようにする必要があります。
ではどのように違法業者を見分ければ良いのでしょうか。
はっきり言って外見や会社の雰囲気といった曖昧な基準で見分けることはできません。
むしろそういった点で悟られないように、違法でない業者よりも丁寧だったりすることもあります。
では見分ける以前にそもそも違法な業者とはなんでしょうか。
これにはいくつかの基準があります。
まず1つは、国や都道府県に登録していないということです。
貸金業を営むためには必ず国や都道府県にその旨を登録する必要があります。
この登録を行っていない業者はすべて違法な業者であるということになります。
2つめは利息が法律で定められている上限を超えているということです。
貸付額によって金利の上限は法律で決まっています。
過払い金請求の原因となる違法性です。
これを守っていない業者はすべて違法な業者であるということになります。
3つめは貸付業法を守っていないパターンです。
個人の年収の1/3を超える額を貸し出してはいけないことが法律で定められていますが、この上限を守らずに貸し出している業者はすべて違法な業者であるということになります。
これらの条件に当てはまる業者が違法な業者です。
しかし実際に業者を訪れて判断するのでは遅いので、借りる前にあらかじめ口コミ等で確認しておくのが良いです。
これらの業者の顧客集めの手法としては、紹介、広告、ダイレクトメールなどがあります。
これらのものがすべてダメだということはありませんが、利用する際は調べてからの方が良いでしょう。
人は余裕がなくなると冷静な判断ができなくなりがちです。
また日常でもっとも余裕がなくなる機会が多いのはお金がなくなったときと言えるでしょう。
お金に困って冷静な判断を失って借金にハマっていってしまう人は少なくありません。
お金のことは普段身近にいる人にも案外相談しにくいものです。
恋愛なんかの方がよっぽど相談しやすいでしょう。
そして返してもらうときはちゃんと返してもらった方が良いです。
最終更新日 2016年8月6日 by tinasdelamp
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