実際に起業し、その会社が10年後も維持している可能性というのは10%程度と言われています。
つまり、10社に1社しか生き残らないことを意味しており、銀行などはそうしたことをよく理解しています。
そのため、収支表がなければ融資はできないということにつながります。
つまり、新規に起業する場合、いきなり融資を受ける可能性というのはほぼゼロに近く、受けられたとしても金利が高くなるリスクが伴うなど、いいことはあまりありません。
こうしたことからも、銀行で融資を受けるのではなく、創業融資という形で政府系の金融機関から融資を受けるというのが無難です。
最大の特徴は事業計画などでリスクを判断し、融資の決定をするというものです。
10年後も会社を存続できる会社というのは、行き当たりばったりで10年間維持し続けるケースはほとんどなく、事前にビジョンもしっかりし、その考え方も資金繰りもしっかりしているからこそ維持することができたという側面があります。
その部分を評価し、これなら長い期間会社を存続できるだろうという計画を出し、非常に現実的で根拠のある見立てであれば、積極的に融資を行うというのが創業融資の性質です。
プランがダメならすぐに却下されるなど、今のプランがはたして現実味のあるものかどうかをそこで知ることができます。
お金を金融機関から借りることのメリットは、信用があるということです。
信用なしにお金を貸してくれる人はまずおらず、よほどの物好きである可能性が高いと言えます。
特に金融機関で借りるということは、何かしらの裏付けがなければ貸そうとはしないため、信用できるものがあったことを意味します。
特に創業融資で資金調達をしたということになると、国から事業計画に関するお墨付き、ゴーサインが出たことになるため、確実性、現実味のある計画に沿って企業経営をしていくことを示すことからも信頼を集めることが可能です。
また、創業融資は起業してまもなくでなければ利用できないというわけではありません。
税務申告を行って2期以内であれば利用することができます。
例えば、事業が多少うまくいき、事業を拡大させたい場合などに利用することも可能であり、ちょっと資金繰りが行き詰まりを見せた時に利用するのも1つのやり方です。
金融機関は収支表を見て判断するケースがほとんどであるため、まだ最初の時期はバランスが悪く、なかなか認めようとはしませんが、そうした企業に対しても積極的に融資をしてくれる創業融資の制度を利用しない手はありません。
実際に創業融資をお願いする場合、面接や面談を受けることになります。
そこでの対応さえ間違えず、事業計画書がしっかりしたものであれば少なくとも断られる心配はありません。
一発勝負と言われ、断られると1年間は融資の応募すらできなくなると言われています。
それだけ準備が必要であり、面接や面談が非常に重要な意味をなします。
そのためには細かなデータを事前に用意しておくことが大切です。
このメニューを作るのにこれだけの時間、コストがかかるというのを実際にやってみてデータにし、それを基に面接などで答えれば、この人は本気であるというのが伝わりやすくなります。
起業してまもなくでも借りることはできるものの、それだけの準備をしなくてはならず、下手すれば普通に金融機関で融資をお願いすること以上の難しさかもしれません。
ただ、準備さえ行い、サポートしてくれる企業などに添削などをしてもらい、アドバイスを受けておけば確実に融資を得ることができ、資金調達をすることは可能です。
そのためにも、起業を思い立ってからプランを細かく練ることが必要となります。
■創業融資で重要なのは事業計画書
今までの仕事を辞めて、自分の夢であったお店を開きたい人や今まで培ったスキルを活かし、独立開業するなど、新しく起業するには、業種によって様々ですが、お金が掛かります。
開業の為の店舗や事務所などの賃貸料、飲食店であれば厨房設備や内装工事費、美容室であれば、様々な設備や機器類の費用、事務所でもデスクや印刷機など業種によって必要となるものが違ってきますが、何をするにもまとまったお金が必要となります。
いままでコツコツ貯めてきた自己資金で開業資金をすべてまかなうといった人もいますが、開業するほとんどの人は、銀行や金融公庫など金融機関などで創業融資を受けることが多いです。
例えば飲食店の場合、居ぬき物件などを使いそのまま営業できる物件であっても、賃貸料は敷金、礼金、仲介手数料、前家賃など6ヶ月分を用意しなければならないことも多くあります。
そして何もない、スケルトン物件の場合は調理場の水回り、冷蔵庫やコンロ、洗浄機、客席のデザインやテーブル、椅子など様々な設備が必要となり、飲食店の場合は安く仕上がっても300万円、こだわったお店であれば、規模にもよりますが、2000万円以上も掛かってしまうこともあります。
こういった金額を金融機関などで創業融資として借りる場合に重要なことは、事業計画書です。
事業計画書とは、飲食店の場合は、席数が何人で、客単価がいくらで、一日の売り上げがいくらで、原価率がどれくらいで、一カ月でどれだけ利益が出るのか。そして年間通じて好調時でどのくらい、低調時でどのくらいと売上予測を事細かに書きます。
集客はどこから、どういった年代の人たちをターゲットとして、どういう形で集客するのかなどを細かく書きます。
この事業計画書がどれだけしっかりできているかによって、創業融資を受けることができるのか、また、いくらまで融資できるのかを査定されます。
金融機関の場合、担当者と話をしていろいろなことを詰めていきますが、実際にお金を貸してくれるのはその担当者ではありません。
その担当者が上司、会社を納得させるまたは信用保証協会にその担当者が掛け合い、納得させて初めて融資を受けることができます。
そのため、開業における事業計画書は初めて目にした人が、どんな商売をどこで、どのように集客をして、どのようなビジョンでどのような経営スタイルで営業するお店なのか、一目瞭然でなければなりません。
担当者にいくら熱い想いをぶつけたとしても、その熱い想いは担当者から他の人へ同じ熱い想いを持って掛け合うことはほとんどありません。
全ては事業計画書で熱い想いが伝わるような、そして毎月しっかりと利益を出し、しっかりと滞ることが無く、借りたお金を返済することができるかをしっかりと書かなければなりません。
この事業計画書は、パソコンで作成しようが、手書きで書こうがどちらも効果は同じです。
儲けを健全に出すことのできる仕組みを事業計画書に書かなくてはなりません。
どんな商売、サービスを提供する会社の起業には、この事業計画書が必要となってきます。
事業計画書には大抵3ヵ年計画も書きます。
3年でそのビジネスによって、どういった発展をしていくのか、また途中途中でその計画通りに健全に利益が出ているのかや予定通りに発展しているのかを見直すツールともなります。
今、金融機関は創業者を支援する傾向にあり、創業融資が下りやすいと言われています。
お金を借りやすいと言っても、全く知らない人にお金を貸すことになるので、その人にお金を貸して本当に大丈夫だろうかと思うのは当たり前のことです。
お金を貸す人が借りる人と会うこともほとんどありませんので、なおさら事業計画書の存在が必要となります。
最終更新日 2017年12月27日 by tinasdelamp
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